今では興味のあるアンティークもの。
かつて私は骨董品やというものがその価値とは別にしてなんだか怖い気がしていた。自分の知っている人が使っていたならともかく、お店で売っているものはそのものにどんな歴史があるのかわからなかったから。江戸時代から伝わる人形とか、仏像などをみるとちょっとぞっとする。日本は戦争が近年あった国だから、あのお人形は何を見ていたんだろう、とかあの日本刀は誰かを斬ったのかなど、考え始めるときりがない。
ちょっとかび臭い店内も怪しげなお店の主人も、まさに骨董屋という雰囲気をかもし出している。
そんなことを話していたら、アンティーク好きのアメリカからやってきたティンパニストのジョンさんに連れられて、ストックホルムのブコウスキーオークションに行ったのは数年前。50年前の新聞や雑誌もあれば、郊外のお城にあった掛け時計、1800年代後半の自転車やさんの看板、貴族がつかっていたダイニングテーブルをいすのセットや王宮で使われていたティンパニもあった。
日本みたいにどこかの焼け野原から掘り出してきたような、黒々しいイメージはまったくなく、代々大事に使われてきたんだなというのがとてもわかる。
そこでようやく気がついた。スウェーデン人は物持ちがいい。物をとても大事にする。
おばあちゃんの家にいくと、その家に代々伝わってきたガラスのウォッカビンや、銀食器などがたくさんあり、それを息子や孫の誕生日などにプレゼントする。
家もそうだ。耐久年数が長い。家を買うときも1900年代初頭に建てられた家がたくさん売られている。私らが住んでいるところも1932年に建てられた。その間に暖房システムや配水管、外壁など取り替えられたりしたが基本はオリジナルのまま。それでも「新しい建物」のうちだ。
一人暮らしを始めようとする学生さんの家は、新しいものをそろえるのではなくて、おじいちゃんおばあちゃんからいただいた家具や食器で新生活を始めるひとが多いということを新聞で読んだ。別に違和感もなくありがたく受け取るそうだ。
そんな環境の中にいて、古いものに偏見を持っていた私自身も、何をみていいなと感じるのか段々とわかってきたような気がする。最近はホーロー製品を探している。得にキッチン製品には目を光らせている。
そしてもうひとつ集めているものがある。同じくホーローで作った通りのサインや注意書きなど(写真)。「Torggatan」と書いてあるのは去年の夏、ダーラナ地方に夏休みに行ったときにアンティークショップで見つけた。ボーレンゲ市のセントラル広場のもの。もちろんオリジナルだ。
それだけをもとめて出かけることはないが、町を歩いていてふっと目に留まるお店をたまにのぞくのも私のこだわりとなっている。